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【相続】相続放棄と遺産(不動産含む)の管理責任

  • 執筆者の写真: 京都やましろ法律事務所
    京都やましろ法律事務所
  • 2023年2月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:7月31日

 田舎で一人暮らしをしていた実父が多額の負債を抱えて死亡したため子が相続放棄する場合,実父が住んでいた家(空き家)のその後の管理責任はどうなるか,という問題があります。

 改正前民法では,相続放棄をした者(相続放棄者)が相続財産(遺産)を占有していない場合等に管理継続義務を負うか,等について明らかではありませんでした。

 2023年(令和5年)4月1日から施行される改正民法において,相続放棄者が遺産の管理責任を負うのはその放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき」と明示されました。

 よってこの場合にあたらない限り,相続放棄をした後に遺産である不動産などの管理責任を負うことはありません。

 相続放棄の結果,現に占有する者もおらず管理がなされていない土地が第三者に害悪を及ぼしている場合への対応については,改正民法で創設される土地管理制度(改正民法264条の2以下,264条の9以下)や相続財産管理制度(改正民法897条の2)を利用することになります。


改正民法

(相続の放棄をした者による管理)

第940条 相続の放棄をした者は,その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは,相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間,自己の財産におけるのと同一の注意をもって,その財産を保存しなければならない。

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