top of page

【相続】相続放棄と遺産(不動産含む)の管理責任

  • 執筆者の写真: 京都やましろ法律事務所
    京都やましろ法律事務所
  • 2023年2月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年10月4日

 田舎で一人暮らしをしていた実父が多額の負債を抱えて死亡したため子が相続放棄する場合,実父が住んでいた家(空き家)のその後の管理責任はどうなるか,という問題があります。

 改正前民法では,相続放棄をした者(相続放棄者)が相続財産(遺産)を占有していない場合等に管理継続義務を負うか,等について明らかではありませんでした。

 2023年(令和5年)4月1日から施行される改正民法において,相続放棄者が遺産の管理責任を負うのはその放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき」と明示されました。

 よってこの場合にあたらない限り,相続放棄をした後に遺産である不動産などの管理責任を負うことはありません。

 相続放棄の結果,現に占有する者もおらず管理がなされていない土地が第三者に害悪を及ぼしている場合への対応については,改正民法で創設される土地管理制度(改正民法264条の2以下,264条の9以下)や相続財産管理制度(改正民法897条の2)を利用することになります。


改正民法

(相続の放棄をした者による管理)

第940条 相続の放棄をした者は,その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは,相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間,自己の財産におけるのと同一の注意をもって,その財産を保存しなければならない。

最新記事

すべて表示
【相続】遺言と遺産分割

遺言があっても,相続人全員の合意があれば,遺言と異なる内容で,遺産分割協議をしたり,遺産分割調停をすることも可能です。遺言執行者がいても同様です。  ただし,遺言の内容と異なる遺産分割審判をすることはできないといわれていますし,遺言があるのに,それと異なる内容で遺産分割協議...

 
 
 
【相続】相続放棄の申述とその有効性など

相続人は,自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内であれば,相続を放棄することができ(民法915条1項),相続の放棄をすると,初めから相続人ではなかったことになります(民法939条)。相続を放棄すると(プラスの)遺産を相続することもできませんが,相続債務(...

 
 
 
【相続】養子になった場合の実親相続

養子縁組をしても(特別養子縁組制度を利用したものでない限り),実親子の関係に影響はありませんから,養親の養子となった子も実親が死亡した場合は実親の法定相続人となります。

 
 
 

댓글


© 2019 京都やましろ法律事務所 京都府宇治市広野町西裏97番地5商弘ビル4階

  • Facebook
bottom of page