弁護士選び(やや辛辣な雑感)
- 京都やましろ法律事務所
- 2 日前
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通常はどの弁護士に依頼するかにより法律問題の結論が大きく変わることはありません(相手次第という交渉事は除きます。)。事実(真実)は一つであり,それに法を適用した結果は自ずと導かれるからです。
ただし,差が出る場合は現実にあります。本来勝つべきところまで負けてしまう(勝てない)ケースです。もちろん依頼者ご本人に起因する場合もありますが,担当弁護士が準備を怠らないことでリカバーできる場合はあるはずです。
例えば,尋問で事実に反する供述を繰り返した(であろう)結果,事実(真実)を述べている部分まで裁判所から信用されずに,本来勝てた部分まで敗訴の判決を受けた相手方のケース・・・。自爆ですね。こちらは労せず一部敗訴を覚悟していたところまで勝てました。
主尋問で自ら申請した相手方当事者及び証人間の陳述すら矛盾し,かつ,客観資料にも反する陳述を繰り返した結果,主たる争点にかかる陳述の信用性を全面否定され,当方主張事実がかえって補強され認定されるに至り勝訴に至ったケース・・・。相手方側が本来行うべき尋問準備を怠らなければ,少なくとも主尋問で陳述同士が矛盾する結果などにならなかったはずです(基本的に尋問は準備した者勝ちと認識しています。無論いくら準備をしてもダメなものはダメだったりしますが,準備を重ねたことでうまくいかないという事態は生じません。)。
少し調査すれば容易に判明する業界特有の評価についての調査に至らず,本来主張可能な半額以下の評価額(それ自体通常は無理のある主張でしたが・・・)でしか主張せず,結果的に当方が支払うべき額を大幅に(数百万円単位)減額できてしまったケース・・・。
自ら申請した調査嘱託の回答の確認不足により本来判明していたはずの財産に言及できず,かつ,財産評価時点について本来必要な法的主張を怠った(実務的扱いに沿う主張をしなかった)結果,本来当方が支払うべき額を2割以上(金額にして約200万円)減額できてしまったケース・・・。これらをいずれも見過ごした担当裁判官にも問題はありますが,相手方弁護士の怠慢あるいは能力不足による弁護過誤と評価せざるを得ないでしょう。
依頼者ご本人が弁護士の怠慢や能力不足などに気付けるか否かはわかりませんが(例えば弁護士ドットコムというサイトのみんなの法律相談においても,他の弁護士の回答が法的に不正確と思われるため,注意喚起の意味合いも込めて法的に正しい回答をしておいても,他の弁護士の当該不正確な回答をベストアンサーに選択される方も複数散見します。ご自身にとって耳障りのよい回答をベストと選択されてしまうのでしょう。たとえそれが法的に不正確であっても・・・。このあたりは当該サイトのシステム上の問題でしょうね。なお,無理なものを無理というのも立派な弁護士の仕事と認識しています。),連絡や報告,意思疎通,質問に対する回答などが不十分,不誠実と感じる場合は弁護士選びの再考が必要な場合が多いといえるでしょう。
なお,依頼される弁護士へは不利だと思う点も含め全てありのままを伝えるようにしてください。弁護士には守秘義務もありますので,依頼者の「正当な」権利と利益の実現に反するような言動は致しません。虚偽主張などは決してしませんが,他方で不利事実を必要もなく積極的に開示することもありません。
弁護士選びに迷う場合は複数弁護士へ相談してみたり,セカンドオピニオンを求めてみられてもよいでしょう。相性の問題もあります(正直お話しをしていて合わないなと感じることがあるのはお互い様です。)。
インターネットなどで大量の広告宣伝を行ったり(特に債務整理や詐欺被害),全国からの依頼対応や24時間対応を標榜したり,交通事故・離婚・相続などの一般的な法律問題で徒に専門性を謳うような法律事務所には注意された方がよい印象です。依頼した弁護士と連絡がとりづらい相手方ご本人などに接すると不憫でなりません。
弁護士の仕事は個別性が強く,いわば全てがオーダーメイドの職人仕事です。同種事件であっても,画一的に大量処理できるようなものでは通常ありません(大半を事務職員任せにするなどもってのほかです。あなたの担当弁護士は,事務職員任せになどせず,きちんと弁護士自身が対応してくれていますか?)。よって,ご依頼を受ける場合の費用も相応の額(応分の負担)を要します(もちろん結果的に所定の時間制報酬(タイムチャージ)以上の時間単価で処理を終えられる事件もありますが,他方で時間単価が最低賃金法上の地域別最低賃金すら下回ってしまうような事件もあります。それでも決して手を抜いたりできないのは弁護士の職人・専門家としての矜持です。)。
弁護士の時間も有限です(いわば時間を切り売りする仕事)。事務処理の速さなどにもよりますが,自ずと限界はあります。安価で受任して画一的に大量処理という仕事では決してありません。徒に他所を批判するつもりなどありませんが,安かろう悪かろうや,無料相談を謳った事件あさりは現実に存在するでしょう。
以上,弁護士選びにあたりご参照ください。
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